脳ドックについて:お世話カンパニー 医務室すこやか健康相談:ラジオ:メディア登場:武田病院グループ
※医師やスタッフの肩書き/氏名は放送時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。
脳ドックについて
十条リハビリテーション病院 脳神経センター長 山下 純宏
今日は脳ドックについてということなんですけれども、最近こういう検査があるんですか。
そうですね。MRIとか超音波エコーという検査が発達しまして、簡単に脳の中も検査できるようになりました。
ものすごく初期の段階で見つけることができるということですか。
そうですね。もちろん症状が起これば、みなさん病院へ行かれるわけですけど、脳ドックは症状が起こる前に脳の中を検査するということです。
この検査はMRIだったり写真を撮ったりすることになるんですね。
そうですね。
ストロークだけで見ることができます物事の半分
MRIによる脳の断層写真というか、断面図みたいなものが出てくるんですか。
要するにスライスした形で脳の中を見ることができるわけで、もちろん大きな脳腫瘍とか脳出血があれば見えますが、もっと細かな脳の血管の変化などを症状が起こる前にある程度調べることができます。
その断層写真と先ほどおっしゃっていたエコーの検査があるんですね。
そうですね。エコーは頚から脳へ行く頚動脈の壁の硬さを調べて、動脈硬化の程度を評価する検査です。MRIでは、脳のスライスのほかに、脳の血管の状態を見ることができますので、未破裂動脈瘤の有無は勿論のこと、脳の中の血管が詰まっていたり、狭くなって詰まりかかっていたりしているのを見ることができます。
検査にはどのくらいの時間が必要なんですか。
MRIは約20分、それから頚部のエコーの検査は約10分くらいで、大体30分くらいでその後の説明の時間を加えますと、合計して1時間ほどです。
この手の検査で点滴をするのが痛くて嫌なんですけども。
短期と長期記憶を向上させる方法
もちろん造影剤を入れればもっと詳しく調べることができるんですけども、通常の脳ドックの場合は、注射もなくただ寝てるだけで検査が済みます。
この脳ドックで具体的に言いますと、どういうことがわかってくるんでしょうか。
パラノイアを制御する方法
二つありまして、一つはくも膜下出血につながる未破裂脳動脈瘤があるかどうかということです。これが破裂しますと、くも膜下出血を起こします。この未破裂脳動脈瘤がみつかりますと、予防的な治療が必要かどうかということになりますけど、しかるべき病院を紹介して、治療をしていただくとか、セカンドオピニオンをもらうとか、そういう形になりますが、幸いこの未破裂脳動脈瘤というのは、それほど多いものではありません。100人に1人か2人、その程度のものです。一方、もっとポピュラーなのは、無症候性脳梗塞といいまして、脳の血管の細い枝の0.2mmぐらい以下の血管が詰まりますと、何も症状は出ないのですが、MRIの写真の上でいわゆるラクナ梗塞、あるいは無症候性脳梗塞と言われる、直径15mm以下の小さな白い� ��点として写ります。そういったものがあると、無い場合に比べて近い将来に本格的な脳梗塞とか脳出血とかいう脳卒中の発作を起こしやすいというデータがあります。
未破裂の脳動脈瘤破裂があるかですとか、血管が詰まっている部分が無いかとか、今おっしゃったようなものが無いかというのを確認していくということですか。
そうですね。特に60歳以上の方で、高血圧とか肥満などの生活習慣病がある場合には、無症候性脳梗塞が高頻度で見つかります。
ということは自覚症状が無くても他の要素があるなと思う方は、できる限り脳ドックを受けておいたほうがいいということですね。
そういうものが見つかることによって生活習慣病の治療の動機付けになったり、あるいは禁煙の動機付けになったり、禁煙外来に代わるものとして、脳ドックの役割もあると思います。
できるだけ早く見つけたほうがいいですし、生活習慣を改善するきっかけにもなるということですね。
そうですね。車の車検のように、脳をときどき検査すると、そういった感覚で検査を受けていただくといいと思います。
0 コメント:
コメントを投稿